森戸の浜の神隠し

夕方、用事を終えて、ぎりぎり夕焼けに間に合いそうだったので急いで森戸海岸に行ってみた。
みごとな夕焼け。
そして、想像をはるかに超える大勢の人々で賑わっていた。
一日海を楽しんで最後に夕陽を名残惜しそうに眺めている海水浴客の人、海の家でくつろいでいる人。
いつものように近所の人。
混んでいるけれど、みんな穏やかで、何故か心地いい。
海の家の入り口ラインあたりを人を縫ってうろうろ。夏の海の匂い。
日焼け止めの甘い匂い。ガラムのような南の国のタバコの匂い。
ライブで弾いているギターの音。
どれも心地いい。
夕焼けから視線を剥がして、反対側を見ると、いつもそこにあるホテルのたたずまいも、少し変わってみえる。
千と千尋の湯屋のごとく。

境界線はどこにあるのか。