スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

夏の夜

だらだらと続く日常から切りはなれたくて
夜中に「コンビニ行ってくる」と家を出た。
Z3@tateishi

一人で車に乗る時は、夜中でもわざわざ幌を開けて風を楽しむ。どう考えても開けて走るように設計されているこの車の幌があけられることがほとんどないのは悲しむべきことだ。

はるか前方を走っていた車がスローダウンして目の前で止まった。
邪魔だな。
ドアが開き、男の人が中から降りてきた。手にビジネスかばんのようなものを持っている。
御用邸の近くのおやしきの前。門扉をあけて、その男性は中に入っていった。
車はよく見ると品川ナンバーのハイヤーだ。
きっとどこかのおえらいさんかなにかの自宅なのだろう。

へぇ。いいねぇ。ここが自宅で、ハイヤーで送り迎えつきの通勤か。
それだったら私の大手町までの通勤も悪くない。


目の前のハイヤーをゆっくりよけて、どこに向かうともなく芦名のほうへ向かっていた。気がつくと後ろを少し感覚をあけてずっと同じ車がついてきている。おそらくさきほどのハイヤーだろう。これから東京に戻るのか、高速の入口に向かっているのだろう。

夏の終りの夜はすっかり秋めいていて、風がこの上なく心地よく、ゆっくり運転したかった。
後続の車がうっとうしく、夏は立石が閉鎖されているので、芦名の信号で右にまがった。マリーナの前までいって、ひとしきり海をみて気がすんだら戻ろうと思った。
さあ、これでやっとのんびり運転できると、バックミラーを見て驚いた。ハイヤーも後をついてきているのだ。
この時間にこんな道を通ってどこに帰るのだ?お金持ちを送り迎えして東京に戻るんじゃなかったのか。

偶然同じ道を通っているとしても、何とか、先にいってくれたらいいと、芦名のマリーナ前で、予定通り速度を落としてゆっくり止まった。
後続の車も止まった。
なんだかめんどうなことになったな。とりあえずヘッドライトを消してエンジンを止める。
降りるかどうかためらったが、すぐ前のマンションの2Fの部屋の電気がこうこうとついていた。LE KLINTの照明が2つついている。女性の人影がうろうろしているものはっきりと見えたので、万が一何かあってもどうにかなるだろう、と車を降りた。
案の定、ハイヤーからも人が降りてきた。
やれやれ。

軽く会釈をして、いかにも顔見知りという親しさをもって運転手は言った。
「ご主人様が、お部屋をご用意しています」
「オヘヤヲゴヨウイシテイマス」?ってどういうことだろう。
私は無言のまま。
「こちらへどうぞ」というおもむきで、手を向けた先には、岸にカヤックが2艇浮かんでいる。
「へぇ、これにのってどこかに行けというわけなんだ」
もう、夜中も二時をまわっていた。

To be continued
Special thanks to Hayama RestHouse
HayamaRestHouse

■ Comment

非公開コメント

最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
最新コメント
Twitter
    follow me on Twitter
    プロフィール

    Yuki Masuko

    Author:Yuki Masuko
    ナチュラルスイーツ作り、ヴィーガンフードや二匹の猫と生活するのんびり屋でくいしんぼうのとりとめない雑文です。

    ランキング
    リンク
    検索フォーム
    RSSリンクの表示
    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。